Braintrustに引き続き、採用市場からのサービスPalletの紹介です。
Web3サービスとして取り上げられることがあるのですが、結論これはWeb3とは呼びづらいかなと感じています。
とは言え採用支援サービスとしては興味深い切り口ですので、Web3との接点も含め記載します。
各業界/職種のリーダー的存在≒インフルエンサーのコミュニティをハブにした転職/採用支援
このサービスの核となるのは、求職者のコミュニティです。
まず前提として、業界や職種のリーダー的存在、つまりインフルエンサー的な人達のコミュニティがあります。そのインフルエンサーがコミュニティ内で転職したい人達を募り、人材コミュニティをつくります。(サービス上「インフルエンサー」とは呼ばれていませんが、そう言った方が理解しやすいと考えここではそう呼びます)
ちなみに、そういう人材コミュニティは「Talent Collective」、それを組成するインフルエンサーは「キュレーター」とPalletで呼ばれています。
インフルエンサー・求職者・求人企業への新たなメリット
ここには3種類のユーザーがいます。
ひとつがキュレーターとしてのインフルエンサー。元々持っているコミュニティメンバーに転職希望者がいれば、求人との接点という新たな価値をコミュニティメンバーに提供できる可能性が生まれます。
そしてキュレーターは、新しい収入源を得られます(後述)。
もうひとつが転職希望者です。インフルエンサー≒業界/職種のリーダー的存在の人のコミュニティに属していることが、ある意味お墨付きとみなされれば、求人企業にとっての安心感となり接点が生まれやすくなる可能性があります。
そして求人企業です。これまでの求職者データベースによくある課題は、登録者が本当に現在求職中かが分からないことです。そうするとスカウトも無駄打ちが発生します。PalletのTalent Collective(人材コミュニティ)であれば、キュレーターの運営方針次第では、本当に求職中の人達、ある程度のスクリーニングを経た人達がコミュニティにいる可能性が高いと期待されます。
キュレーター(インフルエンサー)の収入源
下記の方法で稼げます。
いずれの場合も10%はPalletが徴収し、残りがキュレーターの取り分です。
なおサービスサイトによると、2021年(何月かは不明)にサービスが開始し、2022年8月時点で2億USドル超がコミュニティに支払われ、1万人以上の求職者が求人企業に紹介されたそうです(採用ではない)。
余談ですが、こういう場合、キュレーターは優良職業紹介業許可が不要なのかなというのは少し気になります。
Web3か?Web3との接点は?
このサービスは、調べた限りではブロックチェーンを基盤としているわけでも、トークンエコノミーを形成しているわけでもありません。
キュレーターへの支払いでPalletが対応している通貨も法定通貨のみです。
ということで、現時点ではWeb3とは言いづらいと考えます。
ただし現時点ではなので、今後暗号通貨に対応する可能性もあります。
もしかしたらそういう方針が過去に発表されていて、それを踏まえWeb3領域に位置づけられているのかもしれません。
また、Tallent Collective(人材コミュニティ)の中には、Web3に強みを持たせているケースもあります。
この辺りがWeb3との接点になっている可能性もあります。
いずれにせよ、コンセプトは個人的におもしろいですし、まだ始まって1年程度でこれからどんどん進化していく余地はあり得ますので、今後に期待したいと思います。
※ Palletの参照元はこちらのWeb3カオスマップです。とても有益で助かっています。出典についてはこちらの記事で触れています。
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